Run-DMC「ピーター・パイパー」:究極のヒップホップ・カルチャー賛歌

Run-D.M.C. ‎– Peter Piper (1986)

Run-D.M.C. ‎– Peter Piper (1986)
via. Discogs

米音楽メディア「Rolling Stone」は「歴史上最も偉大なヒップホップ・ソング」と題し50曲を選出。

The 50 Greatest Hip-Hop Songs of All Time – Rolling Stone

不朽の名作が並ぶ中、Run-DMCからは「ピーター・パイパー」が17位にランクイン。

記事では歌詞を引用し、

クロスフェーダーのキング、ジャム・マスター・ジェイ

ジェイは「ミダス王」のようだ

彼が触れたものは、すべて金に変わった

「ピーター・パイパー」が、ヒップホップ・カルチャーへ最大級のオマージュを捧げた曲であると評価。

メンバーにとっては「マイ・アディダス」と「ピーター・パイパー」のカップリングが、「ウォーク・ディス・ウェイ」よりも大事なシングルであったことなどを指摘しています。

[17] Run-DMC, ‘Peter Piper’ Raising Hell, 1986

[17] Run-DMC, ‘Peter Piper’
Raising Hell, 1986
via. Rolling Stone

Run-DMC「ピーター・パイパー」
「レイジング・ヘル」収録(1986年)

Run-DMCの1986年の名盤「レイジング・ヘル」のオープニング・トラック「ピーター・パイパー」は、まるで触れる物を全て黄金にする(ギリシア神話の)ミダス王のような、DJの類い稀なる能力への最大の賛歌です。

「badの意味はbadじゃなくてgoodだ!」

ランとDMCのみごとな阿吽の呼吸を要約するように、ジャム・マスター・ジェイは、「テイク・ミー・トゥ・ザ・マルディグラ」のスムース・ジャズ・ヴァージョン(ボブ・
ジェームスが1975年にリリース)のフレーズをスライス・アップ。

Bob James ‎– Two (1975)

Bob James ‎– Two (1975)
via. Discogs

Run-DMCのレーベルであるプロファイル・レコード側は、ニューアルバムからの一枚目のシングルを、エアロスミスとのコラボレーションを実現したラップ・ロック「ウォーク・ディス・ウェイ」で行きたいと考えていました。

しかしグループ側は、ファースト・リリースはヒップホップ・カルチャーへの賛歌である「マイ・アディダス/ピーター・パイパー」以外に考えられないと譲らず。

「シングルをこの曲にしないなら、俺たちがラジオで勝手に流して、全部台無しにしてやるぞ」

こう言ったことを、後にダリル・”DMC”・マクダニエルズは回想しています。

結果、彼らの意見が通り、アルバム「レイジング・ヘル」はラップ・ミュージック初の大ヒット作となりました。

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