Grandmaster Flowers(グランドマスター・フラワーズ)

Grandmaster Flowers

Grandmaster Flowers
via. oldschoolhiphop.com

「グランドマスター・フラワーズ」のステージ・ネームで知られる、ジョナサン・キャメロン・フラワーズはニューヨーク州ブルックリン出身。1960年代から1970年代の終わり頃、ディスコ時代からヒップホップ黎明期の間に活躍した、知られざるレジェンドです。

ディスコとパークジャム、その両方で活躍したミックスの達人

Grandmaster Flowers

Grandmaster Flowers
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現存するライブ音源も写真資料もかなり少ないことから、その存在は「都市伝説」とまで言われた知られざるレジェンドDJ「グランドマスター・フラワーズ」。

音楽評論家のネイト・パトリンは、彼の著書であるヒップホップの歴史書「Bring That Beat Back: How Sampling Built Hip-Hop」の中で、ディスコ時代とヒップホップ時代を橋渡しする重要人物としてグランドマスター・フラワーズを評しています。

ヒップホップ前夜のお気に入りのひとりが、キャメロン・フラワーズ。

グランドマスター・フラワーズとして知られるDJで、1969年にヤンキー・スタジアムで開催された、ジェームス・ブラウンのコンサートでは、オープニングアクトをつとめた。

1970年代にはその大半を、アウター・ボロウ界隈のパーティーで、モバイルDJとして活動した。

* アウター・ボロウ(outer boroughs):ニューヨーク・マンハッタンの外の区。クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、スタテン・アイランドのこと。

今日あまり評価はされていないが、当時はニューヨークで最も広範囲にわたって活動していたDJのひとり。フラワーズのミキシング・スキルは当時トップクラスだった。

マンハッタンのディスコに出入りする「ハイセンス」なオーディエンスと、公共のレクリエーション施設で開かれた「パークジャム」に集まる都心の群衆、その両方の要求に応じることできるDJだった。

現存するフラワーズのライブ録音はそれほど多くなく、そのいくつかは新世代のヒップホップDJと競い合っていた時期、1970年代後半のもの。

しかし、彼のミックスを聞いてみると、古株の人たちから絶賛される理由がよくわかるだろう。

Stardust Room Party Flyer, June 30, 1978

「出演:(ブルックリンのミックスマスター)グランドマスター・フラワーズ」
1978年6月30日にスターダスト・ルームで開催されたパーティーのフライヤー
via. CUL

元祖「グランドマスター」

Featuring New Yorks Finest *Grand Master Flowers*

via. CUL

「グランドマスターは名前じゃない、称号だ」

MC、DJのパイオニアとして知られるグランドマスター・キャズは、音楽誌「Vibe」1997年10月月号のインタビューで、自身が3番目のグランドマスターであると答えています。

「当時グランドマスターと呼ばれていたのは2人だけだった。

グランドマスター・フラワーズとグランドマスター・フラッシュだけだ」

また、ヒップホップのパイオニアのひとりでビジュアルアーティスト、ファブ・ファイブ・フレディーの1998年のインタビューによると、

サタデー・ナイト・フィーバー以前のブルックリンやマンハッタンのディスコ・シーンで(「カット」や「スクラッチ」といったDJテクニックはまだ存在しなかったものの)2台のターンテーブルとミキサーを使い「ミックス」で一晩中フロアを沸かせた最初のDJとして、プラマーとマボヤ、そしてグランドマスター・フラワーズの名前をあげています。

そして、さらに「元祖グランドマスター」こそがグランドマスター・フラワーズであると強調しています。

ハークやフラッシュのようなヒップホップDJ第1世代は、すべて彼ら(プラマー、マボヤ、フラワーズ)から影響を受けたんだ。

フラッシュが(彼のDJネームの一部である)「グランドマスター」を手に入れたのもそこから、グランドマスター・フラワーズからだ。

フラワーズこそが最初のグランドマスター、そこは本当に重要なことだ。

当時を良く知る、クールDJレッド・アラートも「Ego Trip’s Book of Rap Lists」のインタビューでも、最初のグランドマスターはフラワーズであると指摘しています。

Ego Trip’s Book of Rap Lists

via. Ego Trip’s Book of Rap Lists

グランドマスター・フラワーズはブルックリン出身の有名なディスコDJだった。

フラワーズは当時最高のサウンド・システムを持っていることで知られていた。

聞いた話によると、サウンド・システムをマンハッタンまで運んだという、セントラルパークの「ファウンテン」という場所まで。

彼がスイッチを入れると、遥か彼方から聞こえてくるほどの音だと評判だった。

さらに彼は、ミックスの方法をめちゃめちゃ心得ていた。

フラッシュが「グランドマスター」を名乗ったのは、フラワーズに由来すると思う。

フラワーズはディスコの流儀を極め、フラッシュはヒップホップの流儀を極めた。

グランドマスター・フラワーズよ、安らかに眠れ。

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グランドマスター・フラワーズのプレイリスト

Captain Sky ‎– The Adventures Of Captain Sky (1978)

Captain Sky ‎– The Adventures Of Captain Sky (1978)
via. Discogs

グランドマスター・フラワーズがパーティー用にセレクトした曲の一覧。

残念ながらフラワーズのレコード・コレクションに関する資料はほぼ皆無ですが、1970年代終わりに録音されたブートレグテープからわずかに、そのプレイリストを知ることができます。

  • Bionic Boogie – Boogie Boo
  • Blackwell – Boogie Down And Mess Around
  • Captain Sky – Super Sporm
  • Chuck Brown & The Soul Searchers ‎– Bustin’ Loose
  • Foxy – Get Off
  • Herman Kelly & Life – Dance to the Drummer’s Beat
  • Karen Young – Hot Shot
  • Linda Clifford – Runaway Love
  • Roy Ayers – Freaky Deaky
  • Sun – You Are My Sunshine / Sun Is Here
  • T-Connection – Groove To Get Down

参照:oldschoolhiphop.com / mixesdb /Brooklyn Music

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