DJ ウィズ・キッド、ミシガン州アナーバー市で2度目のライブ開催 1983年11月

Play That Beat Mr. D.J. – G.L.O.B.E. & Whiz Kid (1983)

Play That Beat Mr. D.J. – G.L.O.B.E. & Whiz Kid (1983)
via. Discogs

アナーバーには3か月ぶり、土曜日の夜、2度目の登場となるウィズ・キッドは、稀有な存在です。パーティーでレコードを回す時も、スタジオでインストゥルメンタル・トラックを作る時も、キッドの頭の中にあるのはただひとつ。「ヒップホップ・ヒッピー・ディッピー・バップ、ビートが止まらないから、踊り続けるんだ」といった言語化されるリズムを人々に感じてもらうことです。

You Should’ve Heard Just What I Seen: Collected Newspaper Articles, 1981-1984

ミシガン州アナーバー市のローカル新聞、アナーバー・ニュース1983年11月11日号に掲載された、DJウィズ・キッドのライブ告知とヒップホップの紹介記事より。

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ウィズ・キッドはこの記事の前月、1983年10月にファーストシングル「プレイ・ザット・ビート・ミスターDJ」をリリース。10月29日には初チャートイン(ビルボード・ホット・ブラック・シングルス87位)し、さらに11月5日には82位に上昇しています。(この曲のピークは12月03日の68位)

著者は音楽ライターであり作家のビル・ブラウン氏。記事のアーカイブはブラウン氏の書籍「You Should’ve Heard Just What I Seen」の中で読むことができます。

最近は、ヒップホップのミュージシャンがあまりチャートに登場していません。ビルボード誌が今週*発表したシングル・チャートベスト100のエントリーのうち、掲載された「本物」はわずか4組です。

  • ハービー・ハンコック「ロックイット」(14位、下落中)
  • ウエスト・ストリート・モブ「ブレイク・ダンシン/エレクトリック・ブギー」(52位、急落中)
  • グランドマスター & メリー・メル「ホワイト・ラインズ」(59位、急上昇中)
  • ウィズ・キッド「プレイ・ザット・ビート・ミスターDJ」(82位、ゆっくり上昇中)

* ビルボード・ホット・ブラック・シングルス100、1983年11月5日の順位

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1962年にブロンクスで、ハロルド・マクガイアとして生まれたウィズ・キッドは、ヒップホップ発祥の地であるニューヨークで最も有名で評価の高い”スクラッチ”DJのひとりです。

ターンテーブル操作、グラフィティ・タギング、ブレイクダンス、ラップ・シンギングを組み合わせたヒップホップは、現在、黒人のポピュラー音楽の中で最も創造力に富んだスタイルです。

前回この街での、ウィズ・キッドのパフォーマンス会場は(ハイデルベルクの2階の)ビッグ・ビート・クラブで、200人以上の観客が来場。ショーは、シンセサイザーを駆使したダンスミュージックを5時間連続で流し続けるというものでした。そして今回の会場は、ミシガン大学の学生会館(ミシガン・ユニオン)内、ユニバーシティ・クラブ。チケット料金は3ドルです。

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