「6 in the Mornin’」は、スクーリー・D「PSK」から影響を受けた:アイス-T インタビュー

Ice T ‎– Dog'n The Wax (Ya Don't Quit-Part II) / 6 In The Mornin' (1986)

Ice T ‎– Dog’n The Wax (Ya Don’t Quit-Part II) / 6 In The Mornin’ (1986)
via. Discogs

ヒップホップ愛好家の皆さん、アイス-Tの記念碑的作品「6 in the Mornin’」は、フィラデルフィアのラッパー、スクーリー・Dの「P.S.K. What Does It Mean?」からインスパイアされた曲だということをご存知ですか?

ヒップホップのオリジナル・ギャングスターであり、間違いなく史上最も影響力のあるウエストコースト・ラッパーのひとり「アイス-T」。

彼が1986年にリリースした「6 in the Mornin’」は、LAカルチャーに大きな影響を与え、最初のギャングスタ・ラップのレコードと考えられていました。

しかしアイス-Tは、スクーリー・Dが1985年にリリースした「P.S.K. What Does It Mean?」から影響を受けたことを、インタビューで認めています。

Hip-Hop Gem: Ice-T’s “6 in the Mornin’” Was Inspired By Schoolly D’s “P.S.K. What Does It Mean?”

ヒップホップ・メディア「Stop The Breaks」の特集記事より。

記事ではアイス-T氏の証言をもとに、スクーリー・Dの「P.S.K.」がその後のヒップホップにあたえた影響を探っています。

Schoolly D ‎– P.S.K.-What Does It Mean? (1985)

Schoolly D ‎– P.S.K.-What Does It Mean? (1985)
via. Discogs

アイス-T:実際に起きたことを、正確な時系列で紹介しよう。

「そういった路線」で登場した最初のレコードが、スクーリー・Dの「P.S.K.」だった。

俺は「6 in the Mornin’」を作った時に、「P.S.K.」のラップのシンコペーションを使った。ヴォーカルの抑揚が同じなのさ、「P.S.K. is makin’ that green」のパートと「…six in the morning, police at my door」のパートは。

「P.S.K.」を聞いた時は「マジかよ、やられた!」って感じで、パクりか否かは置いといて、俺はこのレコードを気に入っていた。

俺のレコードはP.S.K.のように聞こえないかもしれないが、俺はスクーリーのフロウ(抑揚)のやり方が気に入っていたんだ。

ただ、P.S.K.はパーク・サイド・キラーズ(ギャング)について歌っているが、かなり曖昧だ。そこが俺との唯一の違いだ。

スクーリーは「一人一人叩きのめしてやる」という言い回しでギャングを表現した。

俺は「6 in the Mornin’」で、銃のことや人を殴り倒すこと、その他諸々を詞に書いた。

Ice-T, Los Angeles (c.1986)

Ice-T, Los Angeles (c.1986)
via. Glen E.Friedman

両方のレコードを比べて見ると、「P.S.K.」でスクーリー・Dがやっているように、アイスも同じフロウをしていることに気付くでしょう。

アイス-Tの「6 in the Mornin’」に続いて、ブギ・ダウン・プロダクションズが「9mm Goes Bang」をリリース。

さらにその直後、N.W.Aが「Straight Outta Compton」をリリースしたことで、「ギャングスタ・ラップ」が音楽の本流となるための扉が大きく開きました。

Boogie Down Productions ‎– My 9mm Goes Bang (1986)

Boogie Down Productions ‎– My 9mm Goes Bang (1986)
via. Discogs

N.W.A ‎– Straight Outta Compton (1988)

N.W.A ‎– Straight Outta Compton (1988)
via. Discogs

* 記事中のアイス-T氏のインタビューは、カナダのメディア「PROPS Magazine」からの抜粋。全文のアーカイブはこちらで読むことができます。

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